やらなきゃいけないことがあるのに、ついつい先延ばしにしてしまう。
そして気がつけばいつも、締め切り間際に大慌てで終わらせる羽目になる。
時には間に合わず大失態をしてしまうことも…。
「もっと早くから取りかかればこんな目に遭わずに済むのに…」とわかっていても、なぜか同じことを繰り返してしまって自己嫌悪に陥っている方は少なくありません。
「先延ばし癖はただ怠けてるだけ」
なんて思われがちですが、実際にはそんなことはありません。
人間の行動やモチベーションに関する心理学を学ぶと、「頭では“やるべき”だとわかっていても、行動にブレーキがかかってしまう」心理状態が存在することがわかってきます。
この記事では、先延ばし癖がどうしても治らない人の裏側にある心理について解説しつつ、克服するための対策をご紹介していきたいと思います。
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目次
先延ばし癖で自己嫌悪に陥る必要は全くない
やるべきことを先延ばしにしてしまう傾向がある人のことを、怠け者のように思っている人は少なくありませんが、実際にはそういうことではありません。
すぐに取りかかったり計画的にこなしたりすることができない裏には、「やるべきことに対する心理的なハードルを超えられない4つの原因」があるのです。
治そうと思ってもなかなか治らない人は、単純に持っている原因に対して対策がズレているだけ。
自分を責めたりする必要は全くないのです。
なので、まずはどんな原因によって人は先延ばしをしたくなるのか?という部分を見ていきましょう。
慢性的なエネルギー不足に陥っている
やらなきゃいけないことに取り組むためには、エネルギー(意思力とも呼ばれる)が必要になります。
仮にどんなに重要な仕事で、締め切りが迫っていようとも、燃料であるエネルギーが枯渇していれば取りかかることはできません。
まず前提として、人間はどんな活動をするにしてもエネルギー(意思力)を消耗します。仕事や勉強はもちろんのこと、考え事をしたりSNSを確認するだけでも脳は疲労するのです。
例えば、ショッピングモールに行って買い物をすると、歩いた距離は大したことなくても予想以上に疲れることってありますよね?
それは、たくさんの商品が目に入るごとに
「あ、これ欲しいかも」
「でも高いしやめとこうかな」
などという風に、脳が半自動的に思考と判断を行うから起こるのです。
そういった“小さな思考”に伴う小さなエネルギー消費を避けるために、かのスティーブ・ジョブズは「毎日同じ黒のタートルネックを着る」という習慣を作っていたわけです。
そういったことも踏まえると、日々の活動のあらゆる場面でエネルギーを消耗した結果、やらなきゃいけないことに取り掛かるためのエネルギーが不足した状態に慢性的に陥っている可能性は大いに考えられます。
また、食事や睡眠、運動といった生活習慣の乱れから、本人は無自覚でも身体と心のコンディションが崩れていることが多々あります。
「がんばらなきゃ…」「モチベーションを上げなきゃ…」と考える前に、土台となる自分の心身に目を向けることも大切なのです。
漠然と「大変」な気がしている
「やるべきこと」がいくつの工程から成っていて、それぞれにどれくらいの時間や労力がかかるのか?といったことがわからないと、実態以上に大変なことのように思えて余計に腰が重くなってしまうことがあります。
「大変そう」だと感じていることをする場合、得意なことや簡単なことをするのと比べ、より強い抵抗感を乗り越える必要性が生じ、そこでより多くのエネルギーを消耗することになってしまいます。
想像してみてください。
あなたにとって簡単な仕事に取り掛かるときと、
まだ慣れていない苦手な仕事に挑戦するときでは
どちらが精神的に疲れますか?
恐らく後者ですよね。
なぜ“気持ちの問題”が実際の疲れに影響するのか?というと、“我慢(克己心)”にエネルギーが消費されるからです。
そのため、まずは“やるべきことの実態”を明確に把握することで心理的なハードルの上昇を阻止することが大切になってきます。
完璧主義のせいで先延ばししてしまう
完璧主義というのは、自分自身の不完全さを許容できない心理状態です。失敗すること自体も許せないし、成果物の完成状態についても「誰がどこからみてもツッコミどころがないほど完璧」に仕上げなければいけない、という風に自分自身を縛ってしまっているのです。
この心理状態に陥っている場合、
“やるべきこと”は全く同じであっても、何の気なしに取り組むのと違って、とんでもない一大事業に取り掛かるかのような気持ちになってしまいます。
そうなれば必然的に心理的なハードルは上昇するため、腰が重くなってしまいます。
完璧主義が原因で先延ばししてしまっている場合、「どうして怠けてしまうんだろう…」みたいに自分を責めるのではなく、逆に「完璧じゃなくても大丈夫なんだ」という風に自分自身を安心させてあげるようなアプローチが必要になってきます。
自信がないから取り組むのが億劫になっている
自分にあまり自信を持てていない人の場合、仕事でも勉強でもプライベートでも何かと「自分にはむずかしい」と感じることが多かったりしますよね。そのような心理状態だと、何に対しても心理的なハードルは上がりやすいため、実はエネルギーのコスパが悪くなっているのです。(詳しいメカニズムについては『自信喪失状態を克服し、やる気を取り戻す3ステップ』という記事で解説しています。)
特に能力面に関して自信がない人ほどその傾向は強いです。
この場合も完璧主義の人と同じで、自分を責めたり厳しく縛りつけたりすればするほど行動力は失われてしまいます。
なので、先延ばし癖の解消は目指しつつも、同時に自信をつけるための対策を実行したほうが良いでしょう。
先延ばし癖を克服するための対策4選
ここからは、ご紹介してきた問題に対してそれぞれ具体的にはどういった対策を取ればいいのか?という話に移りましょう。
心身のコンディションを高める
先延ばし癖の4つの原因すべてに共通する要素としてエネルギー(意思力)の話が出てきましたね。
先延ばしを改善する上では、どんな問題を抱えているにせよエネルギーはあればあるほどいいのです。
そのためには心と身体のコンディションを良好に保つ必要があります。
具体的には、食事・睡眠・運動の3つをそれぞれ点検した上で、あなたが取り組みやすいと感じるものから改善に乗り出しましょう。
食事面では、小麦製品やお菓子、ジャンクフードを避けることで腸内環境を守ること。それからサプリメントなどで必須栄養素を補うことが大切です。
腸内環境を守るのが重要なのは、安心感に関わるセロトニンの分泌のほとんどが腸内で行われるためです。また、必須栄養素の不足もメンタルの状態に影響します。特に鉄分などが不足すると脳内ホルモンが正常に生成できなくなるため精神的にも不調を来たしやすくなります。
睡眠面では、光の管理が大切です。具体的には朝日を浴びることと夜間にブルーライトを浴びないことを意識すると睡眠の質が向上します。
また、寝付きが悪い人の場合は、入眠を促進するホルモンであるメラトニンの分泌が不足している可能性があります。メラトニンは食事の項目で説明した安心物質セロトニンを原材料として作られるので、まずセロトニンが正常に作られる身体になっている必要があるのです。そういう意味で、食事と睡眠は密接につながっていると言えるでしょう。
運動面では、ジョギングやランニングなどの有酸素運動を取り入れるといいでしょう。有酸素運動をすると、脳の海馬という部位からBDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれる物質が分泌されます。これは簡単にいうと、「脳細胞を育てる肥料」のようなものなのですが、それだけでなくストレスを軽減させ、精神を安定させる効果もあることが判明しています。
やるべきことをリスト化する
先ほど解説した通り、やるべきことが漠然とした状態だと余計に腰が重たくなり、より多くのエネルギーがないと実行に移せなくなってしまいます。それを避けるための対策としては、やるべきことをリスト化することが有効です。
今取り組まなければならないタスクはいくつあって、それぞれがどういった工程から成っているのか?そしてどれが一番早く簡単に片付きそうなのか?といって見通しが立つに従って、億劫な気持ちは少しずつ解消されていくでしょう。
より詳しい方法については『やることが多すぎて無気力に?やる気が蘇る思考の整理術とは』の記事で解説しましたので、興味があれば併せてお読みください。
完璧主義を緩める訓練
完璧主義を和らげるためには、「完璧でない自分であっても大丈夫だった」という実体験に基づく安心感を増やしていくことが大切です。
そもそも完璧主義に陥っている人というのは、条件付きの愛情のもとで育っていることが多く、「より努力していなければ」「より優れていなければ」「より完璧に近くなくては」自分の存在価値が認められないという根源的な恐怖を抱いている場合が多いのです。
そういった感情は、長い年月をかけてできあがった心のクセから来るので、一朝一夕に変わるものではありません。適切な訓練をすることで少しずつ緩めていくものなのです。
当サイトで公開している自信に関するブログ記事やモチ研公式ラインやメルマガなどでも、これに関連した情報を発信しているので、気になる方はぜひチェックしてください。
自信を育てる方法を学ぶ
自信がないことによってあらゆることの心理的ハードルがあがっているのであれば、少しずつでもいいので自信を育てるのに特化した訓練を積むことをおすすめします。
自己啓発本やスピリチュアルの業界で言われているほど単純なロジックではありませんが、科学的な知見に基づいた練習をすれば自信は確実に育てていくことができます。
具体的には、認知行動療法を主体とした思考トレーニングや、段階的な自己開示を通して人生全体に対する根本的な安心感を育てていく方法があります。
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先延ばし癖が治らないのは怠け者だからではない
先延ばし癖を持っている人は「怠け者である」とか「性格だから変えようがない」という風に思われがちですよね。しかし実際には、決してそんなことはないとおわかりいただけたのではないでしょうか?
このように、身近な心理現象には「本人の性格の問題である」という類の誤解が多くつきまとっており、正しい解決策や対処法が見落とされていることがよくあるのです。
モチ研ではそういった身近な心理に関する悩みを解決することに特化した無料ライブセミナーを毎週日曜の朝9時に配信しています。
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それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!