勉強や仕事に集中したいのなら、
気が散るようなものが少ない環境で作業するべきだ。
という話はよく耳にしますよね。
だけど、中には
・あまりにも静かすぎる場所では逆に集中できない
・図書館の静寂の中にいるとむしろ心がざわついてくる
・適度ににぎやかな場所(カフェとか)のほうが集中できる
という人もいます。
かくいう僕もそのひとり。
静かな図書館とかで作業してるとなぜだかイライラゲージが溜まっていき、貧乏揺すりが止まらなくなる。
それなのに、お気に入りのカフェなどのガヤガヤしている場所でなら最高に集中できたりする。
なんてことを20年近く、散々経験してきました。
どうしてこんな現象が起こるのか?
そして静かな場所で集中できない人はどうしたらいいのか?
ということついて心理学的な観点から解説していこうと思います。
目次
静かなところで集中できない最大の原因
人間には暇だと、いま現在抱えている悩みや心配ごと、その他の懸案事項に意識を向けてしまう性質があります。(これをデフォルトモードネットワークと呼びます。)
結論から言うと、この性質こそが静かな場所で集中できない1番の理由です。
例えば、「失恋直後は働いているほうが気持ちが楽」だったりすることってありますよね?
仕事やバイト、勉強で忙しくしてれば、作業の方に意識が向くため、恋人にフラれた心の痛みとかに意識を向けずに済むからです。
逆に、休みの日に部屋にひとりでいると、途端にそのダメージが蘇ってきたりしますよね。
静かな場所で集中できない人というのは、
原理的にはこれと同じことが起こっています。
つまり、
1.何らかの考え事や心配事を抱えている
2.その状態で“外からの刺激がない空間”に行く
3.心配事だけに意識が向いてしまう
というように、集中が削がれる条件が揃ってしまっているわけです。
雑念を消して集中力を取り戻す方法3つ
では、このように心配ごとに囚われて作業に集中できない人はどうしたらいいのか?という具体的な戦略の話に入っていきましょう。
瞑想で”いまここ”に集中する
一つ目にご紹介する対処法が、瞑想(マインドフルネス)です。
近年、大企業のCEOたちの間で流行っていることですが、実際に脳科学的に見ても瞑想の有効性は証明されてきていて、今では心理療法にも活用されています。。
瞑想の具体的なメリットとして、
・集中力や記憶力が高まる
・ストレスが減る
・感情をコントロールできるようになる
・睡眠の質が高まる
・免疫機能が高まる
といった効果があることが
様々な機関による研究でわかってきています。
いちばんシンプルなやりかたは、
「自分の呼吸だけに意識を向ける」という方法です。
イスに腰掛け、力を抜いて
5秒で鼻から息を吸って
10秒かけて口から吐く
ということだけに意識を向ける。
吸ったときに鼻を通る空気や、
膨らむおなかに意識を向ける。
途中で雑念が湧いてきたら
また呼吸に意識を戻す。
それを5分〜10分続ける。
こうして身体と呼吸に意識を集中させることで、
不安や悩みごとに意識が向いてしまうのが食い止められ、
自然と脳がリラックスした状態になります。
やってみると実際に気持ちも切り替えられるし、
頭もすっきりしてくるのでおすすめです。
また最近では瞑想アプリやYoutubeの動画でも瞑想をサポートしてくれるものがありますから、そういったものを利用するのもいいでしょう。
瞑想に集中できない場合は雑念そのものにアプローチする
ただし瞑想しようと思っても、「その瞑想に集中できない!」という場合もあるでしょう。
そういうときは無理にこのやり方にこだわる必要はありません。
それは瞑想では対処できないくらい大きな(あるいはたくさんの)懸案事項が心のなかに居座っているということですから、根性ではどうにもならないのです。
なのでもし、マインドフルネスが上手にできない!という場合は、これからご紹介する残り2つの対処法を使ってみてくださいね。
“小さい悩み”から実際に解消していく
2つめの対処法は、
悩みを紙に書き出し、小さいものから順番に消していくということです。
「懸案事項を実際に減らす」ということの効果は馬鹿にできません。
今日どの服を着よう?とか
歯医者の予約をしなきゃ…とか
友達からのLINEにまだ返事してないな
といった小さなものから、
仕事のこと、今後の人生のこと、
大事な人間関係の悩みなど大きいものまで
考え事は山のようにありますよね。
一旦それらすべてを紙に書き出します。
そして、その中から最も簡単ですぐに片付くものを実際に片付けてしまうのです。
単純なようで、これは科学的にみてもかなり有効な方法です。
悩みの数は多ければ多いほど、心の中の散らかり具合も増して、メンタルの状態も悪化させてしまうもの。(これを専門的には“心理的エントロピーが高い状態”といいます。)
その反対に、
悩みごと(考えごと)の数を減らせば、少しずつでも悩みの総量は減り、それに伴って悩みが自分の意識を奪ってくる力も弱くなるわけです。
考え事がたくさんあると「考えなきゃいけないことがこんなにたくさんある…」という気持ち自体がストレスになりますよね。
夏休みの宿題なんかも、たくさん残っているときが一番億劫だったんじゃないでしょうか?
それと同じです。
だからこそ、悩みの総量を減らすためにも
小さくてすぐに解消できることだけでいいので、
ひとまず片付けてしまいましょう。
心の免疫力を高める
抱いている悩みを解消していくことが大切なのはもちろんですが、それ以前に“ちょっとやそっとのことでは悩みを抱かないメンタル”になれたらもっと生きやすいですよね。
それは決して生まれつき決まっているようなものではなく、後天的に身につけることができるスキルによって手に入れられるのです。
そのスキルとは、ずばり解釈力。
目の前の現実をどのように捉えるのか?によって、
ネガティブな感情の大きさも、
できごとから受けるストレスの量も、
未来や他者に対する不安の強さも全く変わってきます。
悩みごとを抱きづらい“免疫力の高い心”を育んでいくための具体的な方法論を、当サイトの自信に関する記事群のなかで詳しく解説していますので、ぜひお読みいただけると嬉しいです。
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自分が最も集中できる場所を探せばいい
さて、ここまで
静かな場所で集中できない原因と
その解決策を書いてきたわけですが、
最後にもう一個重要なのは
自分がいちばん集中できる場所をみつける
ということです。
静かな場所が苦手でパフォーマンスを発揮しづらいなら、
別に無理して図書館とか自習室みたいなとこで
作業しなくてもいいのではないでしょうか。
大切なのは、あなた自身が日々最高のパフォーマンスを発揮して生きること。
無理してまで合わない場所でやる必要はありません。
色んな場所で作業をしてみて、そのときの自分を観察し、最も集中できる(あるいは最もマシ)な場所を探してみましょう。
まとめ
・静かな場所で集中できないのは心配ごとに意識が向かうから
・小さな心配ごとから順に解消しよう
・瞑想して”いまここ”に意識を向けよう
・自分に合った場所を見つけるのも大事
というわけで今回は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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