心(というか頭というか)の中が
ごちゃごちゃしているときって
ついつい、それについて囚われすぎたり
考えすぎたりして妙に疲れてしまうもの。
そういう心のごちゃごちゃを解消する方法について
徹底的に解説していきたいと思います。
で、僕自身、根性論や精神論は嫌いなので
そーゆーのは一切なしでいこうと思います!(ハードルあがった)
今日のテーマは、
「心の片付け講座」です。
心のごちゃごちゃ度を表す心理学の用語で
“心理的エントロピー”というものがあります。
(別に用語なんて覚える必要ないんですけど)
エントロピーというのは、
もともと物理学の用語だと思いますが、
ものすごくおおざっぱに言うと、
エントロピーが高い=ごちゃごちゃしている
エントロピーが低い=整っている
と思ってもらえば
日常に活かす分には問題ないと思います。
これを心に当てはめたのが
“心理的エントロピー”という考え方です。
心のごちゃごちゃ度を3つにわけてみる
心を部屋に例えて、少し考えてみましょう。
心理的エントロピーの度合いを
説明の都合で、勝手に3つのレベルにわけてみます。
まずは
レベル1(カオス度:最小)
部屋がすっきり片付いていれば、自由に歩き回ることができますよね。
これは、心に一点の曇りもない状態です。
実際には、ほとんどの人は、この領域には到達できないと思います。
これって「完璧に全ての悩みから解放された状態」なので
仙人とか聖人のクラスですからね。
ただ、完全にこの領域に達することはできなくとも、
近づこうとする価値はあると思います。
その次は
レベル2(カオス度:普通)
ちょっと散らかってる。何かしらモノがある。
だけど、気にするほどじゃない。
というレベルです。
普通の人が、普通に生きているときの状態と思ってください。
特に機嫌がいいわけでも、悪いわけでもない。
僕らは基本的にここのレベルにいて、
時と場合によって、レベル1側にあがったり、レベル3側に下がったりします。
レベル3(カオス度:最大)
あまりにもモノ(ゴミ)が多い。
しかも悪臭を放っている。
避けて歩こうとしてもぶつかっちゃう。
無視しようとしても無理ってくらい臭い(笑)
そんな状態がレベル3です。
どうです、最悪でしょう?(笑)
心配事、悩み、不安、恐怖、苦痛
などに苛まれている状態が、
心理的エントロピーの最も高いレベルです。
このレベルまで来てしまうと、
仕事や勉強に集中できなかったり、
普段ならしないような信じられないミスを連発したり、
些細なことで最高にイラついたり、
人に対して優しくできなかったり、
とにかく最悪な状態になります。
「なんで自分ばっかり、こんな酷い目に合うんだ!?」
って思うときは大抵、心理的エントロピーの高さが影響しています。
自分の心の状態が行動に反映されて、
その行動の結果が自分に返ってくるわけですから。
嫌な事があるから、心理的エントロピーが増大するし、
心理的エントロピーが高いから、嫌な事が起こる。
心理状態と現実のできごとは、
循環の関係にあるわけです。
軽くまとめると、
レベル1は、
完全に悩みから解放された状態。
精神状態は(たぶん)仙人とか聖人みたいな感じ。
レベル2は、
ふつうの人の平常運行モード。
悩みや不安はないわけじゃないけど、切迫してるわけでもない。
レベル3は、
イライラ、もやもやはMAX。
悩みの種が気になって仕方ない状態。
で、ここからは、
レベル3に落ちないためには、どうしたらいいのか?
レベル1の状態に限りなく近づくために、どのようなことをすべきなのか?
ということについて解説していきたいと思います。
心を片付ける4つの方法
さて、まずこの絵を見てもらいましょう。
(一生懸命描いたので、何度も使います笑)
この部屋にあるゴミたちを、どうにか減らしていけばいいわけです。
とはいえ、完全にゼロにするのは、ほとんど無理といっていいので、
(そこを目指すこと自体には、価値がありますが)
ゴミが気になってイライラする、
臭すぎて精神が消耗する(笑)、
という状態が避けられれば十分でしょう。
では、具体的に何をすればいいのか?
方法は4つあります。
心の中を整理する
一つ目は、「整理する」ということ。
自分の悩みの種や、
イライラの原因となっていることを明確にする。
どうすればそれが解消されるか、を考える。
課題を明らかにして、
さらにその解決の見通しが立つということだけで、
「あぁ何とかなるんだ…!」
という安心感が得られるので、エントロピーは下がるのです。
これを部屋に例えるなら、
床に散らばってた本を、
本棚に戻したらちょっとすっきりした
みたいな感じですかね。
散らばってたモノを捨てるわけじゃなく、
ひとつの場所に整理するだけでも、部屋ってきれいに感じるじゃないですか。
これがまず一つ目の対処法です。
「悩みの種」を処理する
実践2
2つ目は、「処理する」ということです。
1つ目の段階で明確にした、
悩みの種、怒りの原因、悲しみの根源となる出来事を、
実際にひとつひとつ消していきます。
ここでポイントなのが、
小さなことから解決していくということです。
例えば、
夫婦関係が悪い、
仕事が溜まりすぎていてどれも上手くいかない、
部下が仕事できなさすぎてイラつく、
ご飯を食べる時間もとれなかったから超お腹が減っている
などの悩みの種があるとします。
悩みとして、大きいものから小さいものまでありますが、
これら全てがエントロピーを上げている張本人なわけです。
また部屋に例えますが、
壊れたテーブルみたいな大きなものも、
読まなくなった雑誌みたいな小さなものも、
どちらも同じくゴミ(不用品)じゃないですか。
つまり、部屋のスペースを奪うものとして、
どちらも部屋のなかに存在しているわけですよね。
だとすれば、
部屋を広くきれいにしたいんだったら、
いずれ、どっちも捨てなきゃいけない。
そこでもし、
「テーブルを持ち上げるためにもう少し、
足の踏み場がないといけない」、
となったら、
まずやるべきことは、散らばった雑誌から先に捨てることですよね?
それと同じことです。
夫婦関係が悪い、とか仕事がうまくいかない、
という比較的大きな問題に取り掛かる前に、
一番簡単な問題から解決して、余裕を回復するべきなんです。
そして、回復した余裕を使って、より大きな問題に取り掛かる。
エネルギーが残ってなかったら、
そんな問題、解決できませんよ、と。
とりあえず飯を食え、と(笑)
そーゆーことなんです。
フロー状態に入る
3つめは「フロー状態に入る」ということです。
フローというのは、ある程度の能力を必要とする活動に、
完全に没入した状態のことです。
人は何もすることがないと、
その時自分が持っている一番大きな問題(エントロピーの根源)に、
意識を向けてしまう性質を持っています。
万有引力の法則では、
質量の大きいものほど強い引力を持つらしいですが、それと似てますね。
この図のなかの小人を「意識くん」だと思ってください(笑)
意識くんは、ぼーっとその場に突っ立っていると、
大きな悩みの引力に引っ張られてしまうということです。
そうならないために、「フロー状態」に入る活動をしようということです。
でも、
「さあフローに入ってください」とか急に言われても、
意味わかんなくてお風呂に入っちゃう人が大半だと思います。
(安心してください。サムすぎて言った自分がいちばん引いてます。)
別に難しく考える必要はありません。
「没頭できる趣味」とかでいいんです。
人が何かに完全に没頭するような活動っていうのは、
基本的に、能力を必要とする挑戦を含んでいます。
だから例えば、
テニスが趣味ならテニスをやればいいし、
手芸が趣味なら手芸をやればいい。
書道でも、マジックでも、ギターでも、水彩画でも、チェスでも、
没頭できるものなら何でもいいんです。
僕なんか、ゲームでフロー状態に入りますから(笑)
それは、その活動の中に、
能力を必要とする挑戦目標があるからです。
上にあげた趣味みたいなものにも、
何かしら挑戦はあるんですよ。
書道なら、「この字のハネを、もっと美しく!」とか。
ギターなら、「もっと滑らかに速弾きしたい!」とか。
それを乗り越えようとすることで、人はフロー状態に入ります。
そして、フローに入っているときに、
人は悩みの種のことなど意識に入ってこないのです。
ちょっとまとめます。
フロー状態に入ることで、心理的エントロピーを下げられる。
ということは、
あなたが成長したいと思っている分野でフロー状態に入れば、
何らエネルギーを無駄にすることなく、実力を高めることができるわけです。
本当のことをいうと、単に「悩みの種から目をそらす」というだけなら、
こんなややこしい話は必要なくて、
テレビ見たり、マンガ読んだりすればいいんです。
それだけで気はまぎれるし、
実際ほとんどの人間はそうやって心理的エントロピーをやりくりしてるんです。
でもせっかくなら、
みなさん自身が成長したい分野に関連することで
フローに入ったほうがエネルギーが無駄にならなくていいですよね。
抽象度をあげて考える
最後は「部屋を広くする」です。
部屋を広くする、
とは具体的にどういうことなのか?
それは、
“思考のレンジ(射程距離)を伸ばす”ということ。
「視野を広くする」といいかえてもいいかもしれません。
もう少し具体例で説明しますね。
例えば、あなたが学校で一番成績が悪かったとします。
子供のころを思い出してもらえればわかると思いますが、
当時って学校が、自分にとっての社会のすべてじゃないですか。
そんな学校で、評価の軸となる勉強がうまくいかないと、
自分は「頭の悪い人間」なのだと思い込むようになります。
でも、大人になったあなたは、もうわかっているはずです。
学校での勉強=賢さのすべて
ではない、ということを。
他者と良好な人間関係を築けることも、
仕事の現場で価値あるアイデアを出せることも、
賢さの1つです。
そう考えたら、学校での勉強ができないだけのことで、
「自分はバカだ」などと思わなくなります。
このように”思考のレンジ”が広くなることで、
悩みだったものが、悩みでなくなるのです。
これが「部屋自体を広くする」という考え方です。
この、
「部屋を広くする」、
「思考のレンジを伸ばす」ということは、
“思考の抽象度(次元)をあげる”こと
とも言い換えることができます。
この図を見て下さい。
例えば、学校という次元でしかものが考えられない場合、
横に移動することはできませんが、
1つ上の「社会」という次元(抽象度)から見れば、
塾もあれば家もあるし、他にも・・・といった具合に、
学校で何か問題があっても、
他のコミュニティで生きていけるという心の余裕が生まれます。
もう少し具体的な部分も見てみましょう。
この図のように、
学校のさらに下位カテゴリに、
クラスや部活といったコミュニティがありますよね。
この図のような構造が腑に落ちていれば、
例えクラスの人と仲が悪かったとしても、
部活の仲間がいるから大丈夫だ!と思えるわけです。
このように、思考の抽象度があがると、
横に移動できる範囲も、それに応じて広がっていきます。
こうして、縦にも横にも部屋を広くしていくことによって、
かつての悩みを屁とも思わなくなる精神を獲得することができます。
そしてそれは、
あなたの仕事のパフォーマンス向上に直結しているのです。
というわけで今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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