この前は約半年ぶりの更新だったのに、ずっと待っていてくれた読者さんもいて、とてもうれしかったです。ありがてぇありがてぇ。
自分が書いたテキストに反応もらえるのってやっぱうれしいんですよね。
みんなが使う部屋をこっそり掃除しておいたら、誰かが気付いてくれた的なうれしさ。
「あなたが掃除してくれたから今日こんなに綺麗なんだね!ありがとう!」とか言われたら、明日もがんばろうってなるじゃないですか。
だから僕のこともそうやってどんどん喜ばせていけば、更新ペースが早まるかもしれませんよ。笑
さて、そんな中で前回の記事について、以前相談に乗ったことのある方からこんな感想メッセージをいただきました。
====引用ここから====
お久しぶりです。
思い当たり過ぎて胸を抉られました(笑)
私が仕事のコミュニケーションが嫌なのはこれが原因です。
あらゆる面で自信が無いので業務報告すら怖いです。
フィードバックを見る時は胃が縮みます。
努力が自信に繋がると言いますが、体調崩すまで追い込まないと頑張った実感が有りません。
客観的になると、そんな卑屈にならんでも…と思いますが…
もや〜としている原因の輪郭が見えて来ました。
とりあえず、原因が分かっただけでも少し前進したと考えます。
====引用ここまで====
えぐられちゃいましたか。笑
「生傷を直視する」っていうのはいつだって嫌な体験ですよね。
でもまさしくおっしゃる通りで、原因がわかったということは一歩前進なんです。
前回も少し書きましたけど、正しい認識が正しい対処につながるわけですからね。
今日はそこからさらに一歩先へ進む話をします。
プルスウルトラしていきましょう。
さて。
・業務報告をするのが怖い
・フィードバックを見るのは胃が縮む
これらはすなわち、
「自分の仕事」に対する直接的な評価
にまつわる恐怖です。
この程度のことしかできてないのに報告したら
「この程度の仕事しかできねーのかよ」と思われそうで怖い…
とか
もしもフィードバックでめちゃめちゃ怒られたらどうしよう…
みたいに、
ネガティブな評価が下される未来
を想像するから怖いと感じるし、胃が縮むわけですよね。
まぁ、めちゃめちゃわかりますよ。
僕だって以前はこういう記事を書いて公開するのすごい怖かったですから。
つまんないって思われたらどうしよう?
間違ってるってツッコマれたらどうしよう?
とかいちいち気にしてたから。
人前でしゃべるのとかも怖かったな。
ウケなかったら死ぬって思ってたから。笑
しかし、ですよ。
冷静に考えると不思議です。
どうして僕らは他人からのネガティブな評価を恐れるのでしょうか?
殴られるわけでも殺されるわけでもないのに、何をそんなに恐れるのか。
自分に自信がないから?
たしかにそうかもしれない。
でも、それじゃあどうすれば自信はつくんだ?
自信がつくまでは他の人からの評価は怖いままなのか?
評価に対してびくびく怯えながら、自信をつけることなんかできるのか?
そう。
この悩みとちゃんと向き合おうと思ったら、
なかなか道に迷うハズなんです。
ネットの記事によくある「それは自信がないのが原因です!自信をつけましょう!以上」みたいな乱暴な論理では解決なんかできっこない。
だから、ここで一緒に考えていきましょう。
「どうして私はネガティブな評価が怖いんだろう?」
そうやって自分自身を研究していくことで、
いま向き合うべき課題の正体が見えてくる。
ここからがモチ研の醍醐味です。
さぁさぁ楽しい研究タイムの始まりだ。
本当に「仕事への評価=自分の価値」なのか?
自分の仕事や作品、業績やテストの結果など
「自分のアウトプット」に対する他者からの評価ってのは大なり小なり誰しも気になるものではありますよね。
が、中にはそれがものすごーく気になる、
「それ次第で自分の存在価値が決まる」とすら感じている人もいる。
彼らは(いや、僕らは)なぜそんなにも深刻に捉えてしまうのでしょうか?
あなたの存在価値が証明される条件は?
それは、実際にそれまでの人生で
「(広い意味で)アウトプットしたものの質」
によって存在価値を量られる経験をしてきたからです。
たとえば、
何らかの条件を満たしている場合にのみ、
存在が承認される。愛を与えられる。
何も満たしていない場合、
存在価値は認められないし、愛も当然与えられない。
みたいな、いわゆる「条件付きの愛情」という環境で生きてくると、
・自分の存在価値は無条件に認められるわけではない
・何かで役に立つことor他者より秀でていることを証明しないと価値は認めてもらえない
といった基準を学ぶことになります。
(その基準は生まれながら持っているのではなく、後天的に身につけるものだということです。)
そして、その基準に照らして自分自身の価値を判断するため、
・能力の高さ(低さ)に対してやたらと敏感
・他人からの評価を強く強く気にする
・不完全なアウトプットをするのが怖い(「完全だ」と感じるまでアウトプットできない)
・何かをがんばっていないと不安
・能力が低いor努力をしていない(ように見える)他者に対して怒りを覚える
といった心理的傾向を持つようになる。
その一方で、
なーんにもできなくてもあなたには価値があるよ
何の役にも立たなくたってあなたは愛すべき存在だよ
という「無条件の愛情(存在承認)」という環境で生きてきた人は、自分自身の存在価値を量る基準が限りなく低い。
だからこそそういう人たちはいつだって安心しているし、恐れがないから自信があるように見えるわけです。
ようするに、
仕事の出来栄えに対する他者からの評価が怖いのは
それによって自分の存在価値が決定される
という価値基準が強く染み付いているからなのです。
仕事の出来栄えや学業の成績などなど「アウトプットされたもの」の質によって「生きていていいのか、いけないのか」が決まるとか、
怖すぎるよね、そんな人生。
そうやって生きてきた人が色んなことにびくびくしてしまうのは、ごく自然なことだし仕方ないことなんですよ。
さて。
このメカニズムがわかれば、解決への道も見えてきます。
要は、価値の基準を下げてあげればいいのです。
自己価値のボトムライン
自分に存在価値があるのかないのか?
を判定する最低ライン。
これを僕は“自己価値のボトムライン”と呼んでいます。
(そのまんまじゃんとか言わないの)
よーするに
「このラインを下回ったらさすがにおれ価値ないっしょ…汗」
「これを下回っちゃったらさすがにダメ人間確定でしょ…汗」
みたいな、自分にとっての最低ラインです。
意識的にせよ無意識的にせよ、
誰しもそういう基準は持ってますが、
このボトムラインが高ければ高いほど
“自分の価値がゼロになる範囲”が広くなるため、生きていくのは苦しくなります。
逆に、それが低ければ低いほど、
実際の自分がそれを下回る可能性は少なくなる。
だからこそ、その分安心して生きていけるわけです。
ボトムラインの本質は、
低ければ低いほど安心感が増すということ。
前回の記事でも話した通り、
心の土台が安定しているということは
正しい努力をするための必須条件です。
だから自信がない人はやみくもに「努力をする」よりも、まずこの安心感を手に入れて欲しいんですよね。
それさえあれば、「体調崩すまで自分を追い込む」なんてこともしなくて済むようになるから。
どうしたらボトムラインは下がるのか?
さて、それじゃボトムラインを下げるにはどうしたらいいのか?
という話を最後にひとつしておきましょう。
実際のアクションとしては以下の2ステップになります。
2.それでも別に大丈夫だった、ということを実体験する
「ここを下回ったら自分には価値がないし、
人からは怒られたり嫌われたりするにちがいない。。」
って思ってることをあえてやってみる。
→でも実際やってみたら別になんてことなかった!
そういう体験を何度も何度も積み重ねることで、初めて自分のなかの基準というものが書き換えられていきます。
実体験によって思い込みを上書きする
ということ。
これがボトムラインを下げる秘訣です。
もちろん、いまの自分にとって
「“存在価値がない認定”を下されるはずのこと」を実際にやるわけですから、
怖いとか
どんな目に合うんだろうとか
恥をかくかもしれないとか
怒られるんじゃないかとか
嫌われるに違いないとか
叩かれたらどうしようとか
それはもうたくさんの不安な感情に襲われると思います。
だけど、実際にやってみると、そこまで怖いことはほとんど起こりません。
僕が記事を書くときに「アンチコメントされたらどうしよう?」とか不安がっていたとしても、実際にはそんなのほとんどきません。笑
僕らのようなボトムラインが高い人、
すなわち不安が強い人っていうのは警戒心が強いので、実際以上に世界を「厳しいところ」だと思っています。
つまり、思っているほどの怖いことは本当にはそうそう起こらないのです。
だから僕は書けば書くほど安心感を強めてきました。
ボトムラインを下げるための行動。
その具体例はあえてあまり出さないでおきます。
ぜひご自身で自分専用のアクションプランを考えてみてくださいね。
(自分のボトムラインはココで、それに対してこんなアクションを起こしてみようと思います!みたいなアイデアが思いついたらLINEしてくれるとうれしいです。)
僕の普段のコンサルでは、
あなたのボトムラインがどこにあるのか?
なぜそのボトムライン設定になったのか?
どうすれば下げることができるのか?
できる限り無理なく下げるための最適な塩梅は?
みたいなことを個別に分析したり指導したりしてますが、
ひとつひとつ真剣に向き合っていけばひとりでも充分に実践できますのでね。
(僕は自分でやってきたわけだしね)
まとめ
・他者からの評価が怖いのは、それ次第で「自分の存在価値が決まる」と感じているから。
→つまり「条件付きの存在承認」の悪影響。
・その恐怖を乗り越えるには、“自己価値のボトムライン”を下げればいい。
・ボトムラインを下げるためには、実体験で思い込みを上書きすること。
というわけで今回は以上です。
いやーめっちゃ長くなった。笑
今日も最後まで読んでくれてありがとうございます!
それじゃまた!