自分を認める証拠の集め方

こんにちは、やる気復活アドバイザーぶなです。
 
僕はよく「自信をつけるためには証拠集めが大事だ」という話をします。
 
「何かができた」とか「誰かから認めてもらえた」といった自分自身を認める材料となるようなデータを収集し、蓄積していくことが自信の強化につながるのだ!って話ですね。
 
 
証拠を集めていくうちに、「自分はしょーもない存在だ」という思い込みに対する反証(反論できる材料)が溜まっていって、嫌でも自分を認めざるを得なくなる。そんな風にして、自分の“自信のなさ”に対して現実の証拠を突きつけることで論破していくことが、自信をつけるために最も重要なプロセスのひとつだからです。
 
 
ただ、実をいうとこれって結構むずかしいことで、「証拠集めがんばってくださいねー!」とだけ伝えて放り出してしまうと途中で心折れる人も出てくるだろうなぁと思うんですよ。
 
今日はこのリスクを最小化するためのお話をしようと思います。
 

なぜ自信の証拠を集めるのはむずかしいのか?

 
自信の材料となるような証拠を集めるのはどうしてむずかしいのか?それは「あなたにスゴいことができないから」ではありません。
 
実際にはその「スゴいことじゃないと自信の証拠にしちゃダメだ」と思い込んでいるからです。
 
 
この思い込みが心の中で働いていると、ちょっとやそっとのことでは自分を認められない。
 
例えば、
英検2級を取っても「1級じゃないからまだダメだ」と思い、ダイエットで5kg痩せても「10kgじゃないから別にスゴくない」と考え、営業成績があがっても「自分よりスゴい人なんかいくらでもいる」なんて捉えてしまい…(以下無限ループ)
 
こんな状態では、何をしたって自信の証拠なんか見つかりっこないですよね。しまいにゃ「霊長類最強」みたいなレベルを目指すしかなくなっちゃうよ。無理〜。
 
 
だからこそ、自信の証拠を集めるためには「スゴい」の基準を下げる必要があるわけです。
 

価値を認める最低ラインはどこにある?

 
このラインを超えたら価値がある!
それより下なら価値なし!ゴミ!
 
という風に価値判断の線引きをする最低ラインのことを(モチ研用語で)“価値のボトムライン”と呼びます。
 
 
「おれは仕事がデキるからスゴいんだ!えっへん!」と思っている人が病気で働けなくなったりすると急激に自信を失ってしまうことがありますが、これは「仕事が他人よりもデキる」というところに価値の判断基準を持っているためです。
 
 
仕事ができれば価値がある
仕事ができなきゃ価値はない
 
この2つの間の線引きが、この人の価値のボトムラインです。
 
 
だからひょっとしたら、自分より仕事ができない人を見たらバカするような気持ちが湧いてきたりするかもしれないし、自分よりデキる人が同じ部署にやってきたら不安になったりするでしょう。「自分の“価値”が脅かされる」と感じるからです。
 
 
「仕事が他人よりもデキる」ということを最低ラインに設定していて、かつそれを(現時点では)達成している人というのは一見すると自信満々に見えます。
 
それは、その人自身が「“自信を持ってよい”と認める基準(価値の基準)」をそのときは満たしているから。(ちなみにいうと、この状態がいわゆる“根拠のある自信”です。)
 
 
だけど、これは基準を満たせなくなったときに揺らいでしまうという点で、もろい自信でもある。
 
だからこそ、揺るぎない自信を身に着けるという意味で、僕は「価値のボトムラインは下げるべし」というのをモチ研の基本方針としています。
 
 
 
さて、そんなボトムラインですが、これはさっきも言った通り自信の証拠集めをする際にも影響しています。
 
 
価値を判断する基準が高すぎると、
「こんなことは“できた”内に入らない」
「あんなの褒められるほどのことじゃない(だからきっとただのお世辞だったのだろう)」
みたいな思考が働いて、せっかくの証拠を自信の糧にすることもなく、ドブに捨ててしまうことになるのです。
 
 
あぁ、もったいないもったいない。気づいてないだけで、ほんとは自信の証拠なんて目の前にたくさんあるんですよ。
 

自分を認める証拠を集めるために

 
だからこそ、自信の証拠を漏れなく集めるためには
 
・ボトムラインを下げること
・自信の材料を記録しておくこと
 
この2つを同時進行でやっていくことが欠かせません。
 

ボトムラインを下げる

 
“ボトムラインを下げる”というのは、
「あぁ、こんなことでも自信持っていいんだ」
という状態を作ることです。
 
 
こう書くとなんだか優しくて甘ったるい感じがしますが、ボトムラインを下げるために実際にする行動は少々大変だしビターです。
 
なぜなら、今設定されているボトムラインを下回ることを実践することになるから。こわいんすよ〜これ。
 
 
具体的には、そうですね。「仕事できなきゃダメ」って信じたままで、不完全な仕事をやってみることを想像してみてください。こわくね?
 
あるいは、「ブスな顔で外に出たら笑われる」と思い込んだ状態で、寝起きの目クソついた顔のままコンビニに行くとか。こわいっしょ?
 
 
なぜそんなこわいことをわざわざしなきゃいけないのか?
 
それは、逆説的なようですが「実際には思ってたほど怖くないんだ」という事実を体験するためです。
 
 
こうじゃなきゃダメだと思い込んでいたけど、そうじゃなくても実際には平気だった」という体験をしていくことで、ボトムラインは自然と下がっていきます。理論的な詳細説明はまたの機会にしておきますが、(ボトムラインに関わる脳領域には言葉や思考が通用しないため)自信を揺るぎないものとするには、こうした体験や実感が欠かせないのです。
 
 
さて、そんな“ボトムライン下げ”ですが、
少々ビターだからこそ、無理はしなくて大丈夫。
 
 
自分のボトムラインを明確にした上で、
 
これをやるのは抵抗あるな
こんな状態でいるのはダメな気がするな
と思える領域のなかで最も気楽なことから始めましょう。
 
 
例えば「身だしなみはきちんとしなきゃ」というボトムラインを持っているなら、ひげを剃らずに買い物行くとか、すっぴんで外に出るとかしてみればいい。
 
「仕事で失敗するのはダメなこと」というボトムライン設定なら、笑って済ませられるかわいいミスを同僚にバラしてみるとかから始めればいい。
 
 
そうすれば、大抵は「あ、別に平気なんだな」という体験が積めます。
 
「別に平気じゃん」「思ったほどこわくなかったじゃん」の積み重ねで人は安心していくわけですが、その変化こそがボトムラインが下がっているということ。
 
なので、ほんの些細なこと、気楽なことから始めればいいのです。
 

自信の証拠を記録する

 
あとは、単純だけどノートや手帳に書くなりして「記録をしておく」ということも大事。
 
人間、忘れる生き物ですから、ほっといたらせっかくの自信の証拠もどっかに行っちゃいます。ここでも貧乏性のもったいない精神でいきましょう。
 
最初のうちは「特に記録しておくほどの証拠は何もないなぁ」なんて思ってしまいがちですが、そういうときは事前に吟味するのをやめて片っ端からできごとを記録しておくつもりで書いておきましょう。まだ“自信の証拠”を自覚できる状態にないだけで、後から読み返したらふつーに自信の糧になったりするので。
 
 
それから、「記録しておく」ことを習慣にしていると、次第に小さな証拠に気付けるようになるという利点もあります。
 
あ、これも書いといていいんじゃね?
お、これも証拠に取っといていいんじゃね?
という思考が働きやすくなる。
 
 
町内会のゴミ拾いの最中だと普段より道端のゴミに気が付くじゃないですか。それと一緒です。(自信の証拠をゴミに例えるのはどうなんだ)
 
 
“意識を向けることで発見しやすくなる”という人間の性質をガッツリ利用しましょう。
 
 
 
 
さて、最後にもうひとつだけ。
 
“自分に自信を持てる”ということが人生に対してどれほど大きなインパクトをもたらすかは、“自信を持てない”ことで苦しんできた僕らにはよくわかるはずです。
 
ただ、時にはそれがあまりにも別世界のように感じられて「結局、自分には無理なのだ」と結論づけたくなる日もあるでしょう。「“自信をつける方法”なんて全部ウソっぱちだ」と跳ね除けたくなる夜もあるでしょう。僕自身そう思ったことは一度や二度じゃありません。
 
 
だけど幸いなことに、それらはただの思い込みに過ぎないのです。
 
科学は僕にそのことを教えてくれました。(ちなみに今日の話も脳科学と心理療法の知見を ミックスしたものです。)
 
 
僕が科学を好きなのは、客観的なことしか言わない無骨な野郎だからです。僕らに対して何の気遣いもしないし、お世辞も言わない。褒めてもくれないし、慰めてもくれない。科学くんが男の子だったらきっとモテないだろうな。でもだからこそ信頼がおけるのです。
 
 
科学的な手法で明らかにされた“確からしい知識”を身につけること。それを道しるべにして、より確からしいアクションを積み重ねていくこと。
 
望んだ結果を手に入れるために僕らに必要なことできることも、結局これしかないのです。
 
 
 
とはいえ、時に科学くんの教えてくれることは、一見して何の役に立つのかわからなかったり、自分の求めていることとは無関係に思えたりすることもあります。本当は悩みの解決に直結するような重要事項であっても。
 
そのあたりを僕が間に立ってわかりやすく翻訳することができたらいいなぁ、なんて思いながら専門書と論文の海にダイブする日々を送っています。
 
 
それじゃ、また。

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